★2◎◎◎年の恋★ その4






★2◎◎◎年の恋★ その4




 -----瑛と亜佳里-----


その後半年が過ぎようとした頃、妻から話があると云われました。
仕事で忙しく又子供の前でできるような話ではないから土日は妻の
実家へ未由を預け土曜日に話を聞くことになりました。


わたしがそれを聞いたのが木曜日の朝でした。

土曜日妻からどんな引導を渡されるのかと思うと生きた心地がせず、
木曜も金曜も仕事に身が入りませんでした。

金曜は明け方の4時頃、ようやく眠れた程です。妻と結婚して8年余り、
こんなに妻の言葉を畏れた事はありません。

ふたりで遅い朝食を終えた後、亜佳里が話し始めました。

続きはMoreからどうぞ



「あれからずっと私たち・・・その・・・別々の部屋だよね、」と云いにくそうに
話し始めました。


「このままじゃ駄目っていうか、嫌なので以前のように寝室であなたの隣で
って思って、あなたが部屋に入った後ほとんど毎晩寝室の前まで行ったわ。

だけどどうしても入れないの。 どんなに頑張っても駄目だった。
もう以前のわたしたちには戻れないって思った。」


妻は涙ぐみながらそう私に語りました。


「もう私自身にも判らないの。何故あなたの隣へ戻れないのか。いろいろ
考えてみて・・・気持ちのどこかに怖さがあるのかもしれないって思った。」


『怖さ? 僕のことが怖いってこと?』


「うん、たぶんそうだと思う。」


『どんな風に?』 「分からない・・けど。」


『・・けど?』

妻はその言葉の意味を説明できませんでした。


どうやら尊敬され、信頼されそして愛される対象だった半年前までの私は
尊敬も失くし信頼もできず、妻の素直でピュアな気持ちを安心して預ける
事のできないそんな対象になってしまったらしい。

その時私には"自業自得"という言葉が浮かんだ。

人には償う事の出来る過ちと出来ない過ちとがあるのだ。
痛みを噛み締めながら妻の話の続きを待つしかなかった。

「このままこの先も抱き合うことのない一生が待っているとしたら
 って考えてみたの。」

「私の事を愛していると云い切るあなたが何の罪悪感もなく
他の女性と浮気していたのよ。私があなたを受け入れられなくなったら
尚の事、他の女性と、と考えても不思議ではないでしょ?」

「あなたはきっとまたやるんじゃないか。今度はばれないよう慎重に・・とか、
 考えてしまうの。」

「この次また同じような事があれば、更に私は傷つくことになるわ。」



『待って・・・。 もう二度と君を傷つけるような事はしない、約束する。
 この先、夫婦の営みがいつ再会されるか分からないとしても浮気は二度と
しない。』 そう私は妻を安心させようと懸命に説得したけれど・・・頭の隅では

[おまえがどの口でそれを云うのか、説得力などないだろう。]と自分自身に
向かって怒鳴っていた。

私が発する彼女を安心させる為の約束を聞きながら妻は力なく首を振った。
そして私の目をまっすぐに見据えて悲しげに云った。


「この半年間、なんとかしようと努力してきたけれど駄目だった。
あなたの事をこの先も受け入れる事ができそうにないって分かった時は
本当につらかった。 このままじゃつらすぎるわ。だから私と別れてください。」


こんな日が来るのではないか。私は半年前から畏れていた事を妻から
告げられ、動揺した。


『私はこの先、誰とも性的関係は持たない。 愛し続けるのも君だけだ。
 君との間に夫婦の営みを一生持てなくても君を責めたりはしない。
一緒にいてくれるだけでいいから、離婚しようだなんて云わないでほしい。』と
心の底から泣いて訴えた。

この先、彼女以上の愛せる女性に巡り合えるとは思えない。
愛する妻と子供。 全てを失くしてしまうかもしれない瀬戸際だった。

人間必死になると涙が出てくるものだ。
成人してから、親父を亡くした時でさえこれ程涙が出たことはなかった。

妻はそんな必死な私の様子を表情の読めない顔でじっと見つめていた。


妻がポツリとつぶやいた。

「もしあなたがこの先他の誰かと関係を持ちそれを私が知ったら・・・
わたし、どうなるかな・・」と。
そうつぶやく妻の声は震えていた。


その時妻の深い悲しみがバカヤローな私の胸にも染込んできた。

失くしてしまった信頼はこの先一生取り戻せないのかもしれないと
その頃ようやく分かったのだった。

昔のふたりに戻る為に何度もなんども私が寝ている部屋の前に
佇んでいたという妻。 私はその頃(も今も)罪の意識で妻の顔を
まともに見る事ができず、ましてや寝室に誘うなどとても出来なかった。

今更ながらに情け無い男だと思う。 こんな卑劣なヤツを相手に
妻はふたりの未来の為に苦しみ足掻いていたというのに、だ。

とにかく、離婚はいつでも出来るのだから、今は思いとどまってほしいと
彼女にお願いをした。

私には他に云うべき言葉も説得力もなく、ただ・・ただ・・保留してもらう
だけが精一杯だった。

その時の私は妻と家庭を失う位なら一生sexなどできなくても構わないと
本気で思っていた。

過ちを犯したバカな男だが失ってはならないものが何なのかは知っていた。







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(Real 話から創作)
by lee-lena | 2015-08-14 10:27 | Comments(0)
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