久我有加さんの■【キスの温度】■【光りの地図-キスの温度2-】
=キスの温度=
大学2年になって親しくなった岡田智里(さとり)と麻生直孝(なおたか)
=光りの地図=
大学の入学式で前後だったことで、一年の時から親しくなった仲本と藤崎
(キスの温度)-智里と直孝は、一年の時には接点がなく2年になって
同じ講義で顔を合わせるうちに親しくなったけれど、いつでも一緒に
行動していたわけでもなく、たまに顔を合わせれば、口をきく程度の
間柄だったのだけれど。
忘年会を兼ねたコンパて゜帰り道が一緒になり、智里の住むアパートで
ふたり、飲み直した日を境にふたりの関係が微妙にフツー?の
友達関係という枠からちょっとかけ離れたものに。
どちらの作品もふたりの出会いから始まって互いの想いのぶつけ合い、
そして気持ちを育てるだけでなく、"お互いが一生側にいられる環境" 作りの為、家族も巻き込んで(カミングアウトする)将来を見据えての未来設計を熟考し、
行動に移すまでが丁寧に描かれていて、現実に生活していかなければならないという点に視点が向けられており、小説の中だけで終わらせるのではなく、
実社会の中におけるminorityの生き方を、読み手に改めて問いかけ
考えさせてくれたように思います。
BLのバイブルのような作品ではないかと。
現実は作品に描かれたよりも、もっと厳しいのかもしれませんが、
それでもよりよい明日のために何ができるか!何が大切か!
そんなことを後押しして支えてくれる作品になっていると思います。
※今回、ちょっとおもいろい読み方をしてしまいました。
この2冊は、4人の登場人物がどちらの作品にもリンクしていたのと
2冊共、それぞれ大きく2部構成になっており、(細かく云うと、"光りの地図"
のほうはshort storyがその他にも2~3あるのですが)
[キスの温度]p106まで読むと次は[光りの地図]p116まで読んで、
又、[キスの温度]p107から読んで次に[光りの地図]p117から読む、という
贅沢な?読み方をしてしまいました。
読了してみて、やはり、この読み方を皆さんにもお薦めしたいと
思います。
★~☆
Click、よろしくお願いします。★~'☆
=キスの温度=
忘年会の夜、アルコールの酔いに流されるように麻生と寝てしまった智里。
それ以来、毎日のように部屋に来てはキスだけをくり返す麻生に、智里は戸惑いつつも
抗えずにいた。
ところがある日、麻生に女がいるという噂を耳にする。
麻生は何で俺にキスするんやろ、何で俺は拒めへんのやろ―?
改めて自分に問いかける智里の出した答えは?
大量書き下ろし「もっと強く抱きしめて」も収録。
=光りの地図=
小柄で元気いっぱいの藤崎と、背が高く冷静な仲本。
正反対の二人だが、大学の入学式で出会って以来、一番息の合う友人同士だ。
だが、三年に進級した頃から、仲本はかすかな胸の痛みを感じるようになっていた。
藤崎と歩くこの日々も、いつか失われてしまう―。
周囲が将来に向けて動き出すなか、さらに焦りを深める仲本だが、そんな時、
藤崎を好きだと言う女性が現れて…?「キスの温度」サイドストーリー登場。