門田泰明さんの 【命賭け候】
TVでいうところの時代劇は 小説だと"時代小説"と呼ばれて
いるんですね。時代小説は秋月こおさんの【王朝ロマンセシリーズ】
以来です。
浮世絵師宗次は絵を描く事を生業としているのですが、
主に後家さんや大店のご内儀たちから口コミで頼まれる
妖し絵(裸体)を描くほうでかなり有名なのである。
しかもどんなにいい女(絵を描いたいい身体を持つ女たち)に
言い寄られても据え膳食わない男なのであった。
つまりすごく身持ちの硬いいい男(容姿も優れている)。
その上、町人なのになぜかめっぽう剣術に長けている。
女性から見ると追いかけたくなるいい男なんです。
口も身持ちも硬いことから、よけいに仕事がどんどん入ってくる
んですね。仕事絡みで女性との揉め事もないのでますます
女性たちからの信頼も厚く。
そんな宗次の周りで事件簿、発生・・解決に向うって感じで
話は流れていきます。事件は大きく3つに別けられています。
3つ目の事件に拘わるうちにそれが単に拘わった相手だけの
問題だけではなく、我が身に大きく拘わっていることを知ってゆきます。
それは出生の秘密。
エンタティメントとは言え、おもしろい展開でした。
それと同時に宗次の男としての強さや悲哀、人として女性に対しても誠、
真摯な態度で対峙する清廉なその姿にわたしも惚れました。 笑)
知力、武力に優れ容姿端麗その上、女性(にょしょう)の
裸体にしょっちゅう目にする仕事で言い寄られることが多いと、
大抵はふらふらっとあちこち喰っちゃうのが普通かもしれないのに。
現実には、いないでしょうね、こんな清廉な男性。 笑)
だからこそっ、よけい萌え心が育つのかも。
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チヨとの掛け合い・・
長屋に住む近所にチヨといういつも宗次の世話を焼いてくれる
女(亭主持ち)がいるのですが、下着を洗ってくれる時に発する
台詞に笑わされます。
『
小便臭い褌(ふんどし)や汚い肌襦袢があったら
出しきなっ・・・』というように 必ず"小便臭い"というのがつくんですね。
・いくらなんでも亭主でもない、そして知り合ったらみんなが
みんな言い寄ってくるようないい男に向けて発する言葉ではないでしょうに・・
門田さん、、どうなってんの?と 思わず聞きたくなるような言い回しです。
何度かほかにもこのふたりの掛け合い漫才のような男と女の
会話が出てくるのですが、結構これがまたツボだったりします。