【三白眼】さんぱく‐がん
黒目が上方にかたよって、左右と下部の三方に白目のある目。人相学上、凶相とされる。
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この世界に存在するのが本当の自分なのだろうか!
それとも、忘れることのない遠くの記憶の彼方に漂うあの世界に自分はまだ、留まっているのではないだろうか!
ふわり・・ふわり、境目が曖昧になってしまう自分の精神。
どんなに違う世界にいようとも、私を捉えて離さないあの世界。
あの世界こそが自分の全てのようにさえ思え、とまどう自分を感じる。
わたしは8歳の時、お金で買われて実母の住む家にやってきた。
愛情はおろか、衣・食・住・教育となにひとつ与えられずボロキレのようにただ生きていた自分。
義母は満足に食事も与えてはくれなかった。実父は見てみぬふり。
義母に実子がいたことと、貧困がそのような私に対する仕打ちに拍車をかけたのであろう。
その頃の私は どんな子だったのだろう!
曖昧な記憶でしかないものを辿ってみる。
何も見つけられない。
手にした口に入るもの(食)は、次にいつ与えられぬか分からない不安から土の中に埋めていた。 そして飢えると、その中の貯蔵食で飢えを凌いだ。
毎日が生き延びることで必死だった。 生き延びようとする本能のままに。
実母は父に愛想を尽かし家を出た後、精神を患っていた。
家を出て数年後、そう・・私が8歳の時、母方の親戚の助力もあり実母はお金を8万円払い、父から私を買い取ってくれた。 母が私を物か何かのようにお金で私を買いたがったのではなく、父が私をお金と引き換えにしたかったからだ。
飢えの恐怖から解放された。
母、祖母、叔父、叔母、従兄妹たちから愛情が注がれた。
教育も受けさせて貰えた。
心というものを持てなかった私に心を育てくれた。
悲しみの涙を知った。
人としての喜びを知った。
輝かしい未来のあることを知った。
元々、平均値よりもかなり高い知能を有していた私は、偏差値の高い大学を卒業し、大企業に就職した。 結婚もし、子供にも恵まれ、人並みの家庭も持った。
それなりに人生の浮き沈みも経験したけれど。
けれどそれは、ふとした拍子に現れて私に問いかけるのだ。
本当にこの世界に存在するのが、わたしなのだろうかと。
あちらの世界で地をはいつくばって生きていた小さな自分・・・・。
その存在がわたしの中から消えることはない。
私がわたしである限り。