(Real 話から創作)
-----亜佳里と旭の軌跡-----Episode2------
(鍋奉行ならぬ、焼肉奉行と化した旭くん。)
結婚後3年目、盛夏の頃。
私の実家で焼肉パーティーをすることにした時の事。
意外な展開に母も私も大喜びでした。
もう旭くんがチャキチャキ張り切っちゃって、しかも無理してるんじゃ
なくて、もう好きで楽しンでるのが判るから食べている私たちは全く
気を遣う必要がなくて。
旭くんは父や未由とワイワイ、ヤイヤイ、喋り捲りながらそして自分の
口にもお肉を入れつつ手はしっかりと肉を焼き野菜を焼き、私と母は
食べる人だけをやってていい経験なんてほんとに少ないので、おしゃべり
と食事をゆったりと堪能して幸せなひと時を過ごしたのです。
こんな幸せが待っているなんて思えない時もあったから
私はその日の幸せにどんなに感謝したことでしょう。
難しい年頃の中学生になった未由だけれど、道を逸れる事もなく
今のところ素直に育ってくれている。
元夫も結構マメに娘との連絡を欠かさず取ってくれているようで、
未由と都合の良い時に会って親子関係上手くいっているようです。
私の前で未由が元夫の事を話すことはありませんが、母から時々
様子を聞いています。
あかりさんと結婚したら、いきなり他に3人も家族ができて僕の人生は
あかりさんで一変した。 本当にありがとう、と旭くんは云うけれど
こちらこそ、ありがとうだよ。
旭くん家族の仲間入りしてくれたお陰で私達(父、母、未由)4人は
たくさんの幸せを貰ってるンだもの。
旭くんのはっちゃけた焼肉奉行振りを思い出すたび、その後も私の胸には
ポッと暖かな灯火がともったのでした。