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★2◎◎◎年の恋★ その5





★2◎◎◎年の恋★ その5



 -----亜佳里-----


夫の浮気を知ったのはたまたまの偶然から。
3年にも及ぶ浮気に気付かなかった私は暢気と云われてもしようがない
妻なのだろうか。

スマホをしながら疲れからかウトウトしていた夫にメールが来たので
知らせようと声を掛けた。時々仕事の事で連絡が入ったりすることが
あるからだ。 う・ん・・となかなかシャキッと起きない夫の変わりに
メールを覗いたところ女性からの件のメール発覚。


私は夫からの熱烈なアプローチを受けて交際し、結婚した。
2才上の夫は学生の頃からモテた。 だからと云って彼女をとっかえひっかえ
するような事はなく、コト女性関係はきれいなもので浮ついた悪い噂も
聞いた事がなく、結婚してからも誘惑されることは多々あったようだが
そんな女達からの身の交わし方も学生の頃からの経験値からか、上手かった。

だから私は完全に彼を信用しきっていた。


『誰と旅行に行くの?』とは聞いたけれど、聞いた時点でよもやそれが
3年もの長きに亘る浮気相手だなんて思いもしなかった。

いえ、思いたくはなかったのかもしれない。

違うと、何かの間違いだと、夫はきっとそう言い訳するのでは?
心の中でそんな風に考えていたような気がする。

続きはMoreからどうぞ




それなのに夫は青ざめた顔をして浮気を認め、土下座して私に詫びたの
だった。 現実の事とは思えず私はただそんな夫を見つめていた。

「浮気・・・・?
  3年も続いてて・・・

 私が気付かなかったら関係は続いていたのでしょ?

 それって本気ってことじゃないの?」 私は云った。


「なのにどうしてメール一本でさっさと相手の人を切ろうとするの?
 可哀想だと思わないの?

 私や子供に責任を感じて別れようとしているのなら止めてください。
 私はあなたに不幸になってほしくないの。

 本気で私より好きな人ができたのなら私達の事は気にせず
 あちらと一緒になっていいのよ。」


そう私が本心から話すると今度は涙まで流しながら夫が謝罪した。

そして『女とは浮気で君と離婚するつもりはない。一番大切なのは君だ』
と。


私に何か不満があったの?と聞くと、ないと云う。
私ほどきれいで性格も良く気立ての良い女性は他にいるはずもなく
自慢の愛すべき妻だと云われた。

そんな風に思ってくれていたとは・・・しかし、それをこんな状況で
知るなんて。

そしていくら信じろと云われても鵜呑みにできる話ではない。
だって夫の話はまるで辻褄が合わないではないか。

夫の云うところのそんな誉れ高い妻がありながら浮気など
するのか? できるのか?

わたしは土下座し、涙まで流しながら夫の示す誠意とやらを
眺めながら思った。


今まであった私の幸せは・・全く同じ幸せは
永久に戻っては来ないのだという事を。

この時夫を許したりせず泣き喚き不貞を責め、彼を嫌いになり
離婚していたら苦しみはもっと短く小さなもので終わっていたのかも
しれない。

理解できない事を云う夫をまだ私は好きだった。だからその手を
離す事ができなかったのだ。

仕事をしている時はまだよかった。気を抜くと日常のありとあらゆる
隙間でその時々の記憶が無く、一ヶ月を過ぎた頃その事に気付いて
愕然とした。


なんとか自分の気持ちを立て直そうとしたけれど難しかった。
夫の話すひとつひとつが果たして信じていいものだろうか。

真実は本当にそこにあるのだろうか。崩れてしまった信頼は
取り戻せるのだろうか。嘘のカケラがどこかに入っているのでは
ないのか。不信感に苛まれながらも私は昔のように仲睦まじい
ふたりに戻れることを夢見てもいた。


壊れたものは元に戻らない。誰でも知っている真理。
戻れるはずもなかったのだ。

自分が夫を許し、努力すればと頑張ってみたけれど
頑張ろうとすればするほど夫は私から遠ざかっていくように
思えた。

また実際夫も罪悪感からか私と会話する時
目を見なくなっていた。

大好きで大切な妻と話をするのに目も見ず、まともに
顔さえも見ない夫。

もしもし、あなたの大切な女性(ひと)は誰ですか?
あなたが本当に好きなのは誰なのですか?

その頃のわたしはいつもそんな風に心の中で
夫に問いかけながら会話していた。

夫はこの先一生私とも、そして他の誰ともsexしなくても
耐えていける、私や子供と一緒に暮らして行けるのなら、と
云った。

時が経てば人の心など変わっていくもの。
だから夫の云う事は話半分に聞いていた。

そんな枯れたような人生を安々と受け入れられると、
浮気をした張本人が云うのを聞きながらその時初めて
私の中に怒りの感情が沸き起こった。

私から幸せな家庭生活を・・性生活を・・奪っておきながら
欲望に負ければいつでも好きでもない相手を抱ける癖に
簡単に云ってくれるじゃないか。

あなたはそれで自分を納得させられるかもしれないが
わたしは断固納得でない・・とそう思った。

夫は離婚は絶対しないと云う。
私もなかなか踏みきれないでいた。

精神的に参ってしまい、そんな中夫への気持ちにも自信が
無くなってきた。どんなに好きだったのかは思い知ったけれど
この先も好きでいられるのか?

人間後腐れなく持っているものを全て何もかも捨てないと
新しいものは手に入らないと何かの本で読んだことがある。

この状態から脱却するには私も全てを捨てる決心をしたほうが
いいのかもしれない、だんだんそう思うようになっていた。





(Real 話から創作)
by lee-lena | 2015-08-22 13:56 | Comments(0)
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