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男と女のお話-7



男と女のお話-7
(オリジナル創作)





山村 麻衣子     OL 24才
桑山 圭介    リーマン   26才 

小林 さおり      OL 23才
久木 直哉      ホスト  28才


*・:+.。oOo+.:・*.oOo。+.:・。*・:+.。oOo+.:・*.oOo。+.:・*



私には大学2年の時から4年間付き合っている恋人がいる。
部活の先輩後輩で出会い、圭介の一目惚れで押し捲られて
付き合いを始めた。どちらかと云うと私のほうは乗り気では
なかったが、圭介は地味だけれ噛めばかむほど味が出る
っていうアレね、スルメのような男子で、付き合うほどに
好きになっていました。


気取らないところ、子供っぽいところ、あまり物事を深く追求しない
ところ、一緒にいて和むところ・・・年齢的にいって結婚も視野に
入れていました。


後、2、3年もすれば圭介は28、29、私は26、27、年齢的に
も適齢期に突入する。

圭介も私と同じ気持ちでいると信じて疑わなかったのですが。

晴天の霹靂というのはこういうことをいうのでしょうか。

ある日突然見ず知らずの女性からメールで呼び出されました。
然る合コンがキッカケで圭介と知り合い付き合ってる。

圭介の気持ちは私よりも自分のほうへ大きく傾いている。
やさしい圭介はなかなか別れ話を私に切り出せないでいる。

だからきっぱりすっきり圭介と別れてほしい、とそうその女性は
涙ながらに私に訴えました。


続きはMoreからどうぞ






[ はぁ~なんだそれっ!! ] ←-- その時の私の感想。
[ あきれたっ・・・。 ]


[ くそっ、なんだっ、この女も圭介も。 なんだっ、なんだっ。 ]
[ なんて身勝手なんだっ。]

私はその女に云った。


「とにかく突然の話で、まずは圭介と話しないとはじまらないと
思う。」と。

「圭介から何も聞いてないし、一方的にあなたからだけの
お話で何が本当なのかも今の私には判断しかねるわけで・・。」

「ひとつ質問してもいいかな?」
「圭介は今日の事知ってるの? 自分の口からは云いにくくて、
あなたを通して別れ話に持ち込もうとしているの?」


女は左右に大きく頭(かぶり)を振りました。


「もうひとつ質問、付き合うキッカケだけど、どちらが積極的
だったの?」



『どちらが・・・って、はっきり云えないけど。 私が酔いすぎて会が
お開きになった後立てなくて、そしたら圭介くんが酔いが醒める
までずっとついててくれて・・・。』


要約するとその後彼女の家まで送って行ったらしい。

チッ・まったく。

圭介のほうは十分下心があったんだろうなぁ~って、
その話を聞いて見たわけじゃないけど私は思った。


だって彼女の友達だって何人かいたんだよ。
下心もないのにその日初めて顔合わせした相手を介抱し、
自宅まで送って行くだなんて。


私は食い下がるように熱烈にアプローチしてきた圭介の
当時の私への積極的な行動を思った。

さもありなん!!



「いいよ、判った。圭介はあなたに譲ってあげるよ。」












って、今ここですぐに返事できるような事て゜もないよね?
だけどあなたたちが本気で想いあっているのに、先に付き合っている
からってどこまでも邪魔をするような人間じゃないから。」


「相思相愛を主張するあなたに不安材料はないってことになる
のかな。 急がなくてもそのうち結論の出そうな話だし、泣かなくて
いいわよ。」と その女に慰めともとれるような話をし、別れた。


まず・・・あの女の話は本当だろうか。

5日前にも会った圭介からは微塵もそんな素振りは感じられ
なかったのだ。 はい、そうです・・と信じられるものではない。


さて、どうしようか。









実は私の叔父が「別れさせ屋」というけったいな仕事を生業に
している。フーテンの寅さんを地でいくような地に足のついて
ない叔父の仕事に今のいままで興味を持った事はなかったが、
--おじさんが私のおじさんで良かったよ---と、心から思ったのが
この今の騒動に巻き込まれてからだ。


だから仕事の話を聞いたのもはじめて。案外依頼が多くて繁盛
しているらしい。  これも時代のせいだろうか。


私は自分の個人情報流出を恐れて叔父の同業者に依頼する
ことにした。 もちろん相談者は私ではなく親友ということにした。

私は親友に頼んで名前と住所を借りることにした。
もちろん、タダじゃないよ。5万円払った。

用意周到に圭介の身辺を探った。


{別れさせ屋}に過去の事を調べてもらうのはかなり難しい。
ひとまず今の圭介の行動を調べてもらうことにした。

合コンの時の裏を取る事は女子のほうも男子のほうも知り合いが
いないのであきらめるしかないか・・・とブスブス考えていたら。

{サワタリ別れさせ屋}から第一報が入った。隠し撮りしたふたりの
画像も添付されていた。それからも数日ごとに次から次へと
報告書が届いた。丁寧な仕事ぶりだ。

あの女の云ってたことはどうやら本当だったみたい。圧倒的に
私と会う時間より彼女との方が長かった。今やどう考えても
私のほうが2番手になってぃた。 本命は彼女。

しかしその後も圭介からの別れ話はなかった。 それと共に
以前は数回のデートのうち、必ずあったsexになだれ込む
事は気がつくとなくなっていた。

私は自分の早急に取るべき行動を知った。



私は忘れもしない女に会った3月30日から今日まであの女、
小林さおりに会っていない。そして圭介には一言もさおりの事は
触れず以前と同様に付き合ってきた。













*・:+.。oOo+.:・*.oOo。+.:・。*・:+.。oOo+.:・*.oOo。+.:・*







今日はクリスマスイブの12月24日、恋人たちの日だ。
毎年恒例の煌びやかな光でまとわれたホテルのディナー、目の
前には桑山圭介が指輪を差し出し私にプロポーズ。


(ははっ、おもしろ過ぎて笑えるぅ~。 約9ヶ月前には捨てようと
していた女にプロポーズだって。 なんなんだっ、コイツ。 あちらが
だめならやっぱりこっち・・てか!!!  映画の台詞が頭に浮かんだ。)

(な、なめたら・・なめたらいかんぜよ! キャハッ ♪)

『麻衣子、僕と、その・・・結婚して欲しい。これは婚約指輪なんだ。
 指、出して・・・・。』


「圭介っ、ちょっと待って。 私、、ずっと云わなきゃって・・迷って悩んで・・・。
好きな人がいるの。 ごめん、この指輪受け取れないよ。うっぅぅ
ごめんなさい。」 泣き真似をしながら圭介がどんな顔をしている
だろうかとチラ見した。

彼はぽかんとあっけにとられた顔をしていた。3月30日のあの日から
この日を待ってた。

さばさばっと、さよならだ。 おさらばっ!!!


私は泣きながら、そのホテルを去った。 颯爽と駐車場に向かいながら
想った。

最初に私が圭介に振られた。
小林かおりは久木に振られるだろう。
圭介は小林かおりに振られ、私に振られた。

私だけが振られるなんて理不尽だ。フンッ

これでさっぱりした。

次っ、、、次っ・・次行こうーーーーー!!!

私は自分を励まし、家路についた。


物事には仁義っていうものがあるのだ。
さおりも圭介もちゃんとした仁義をきらなかった。
だから私の逆鱗に触れたのだ。

圭介がちゃんとわたしにすまないという気持ちを持ち、
誠意をもって正直に自分の気持ちを話してくれていたら、
かおりがもっと控えめで自分の立場を知りおいてくれていたら
わたしはここまでしなかったろうと思う。


{サワタリ別れさせ屋}からの報告を受けた後、さっそく
本業のほうを頼み、小林さおりと圭介を別れさせた。

小林さおりに現役のイケメンホストの久木くんをあてがった。
久木くんにかかったら圭介なんてものの数じゃないだろう。

かおりは、あっという間に久木くんにのめり込んでいった。
あっけないものだ。人のものを平然と盗る、お願いもせず
別れろと自分勝手な事を云ってくるような女の事だ。

心変わりなど、なんのことはない。

この時圭介は自分が私に同じ事をしようとしていた
という事に気付いただろうか。そんな事気にしても
今更だけれど。

久木をさおりに仕込んだのが6月。 9月頃に
圭介はさおりに振られていたはず。

ほんとっ、圭介って判り易い男だ。9月に入ってから
誘ってくる頻度が半端なく増えたもの。

別れさせ屋のプロ{サワタリ別れさせ屋}、流石だよ。

念には念を! 圭介にさおりとヨリを戻されてはなんにも
ならないからね。


その後久木くんに{サワタリ別れさせ屋}とは別に、もう少し
付き合いを引き伸ばすように頼んだ。 よかったらさおりを
振った後このままホスト仲間に紹介してくれていいよ、と。

その子があきたら又、次の子に紹介してもらって
(紹介っていうのは、自然にさおりと出会うようにして、と
いう意味。)1~2年、久木くんたちでさおりの子守を
しといてっていうお願いをした。


ただ久木くんにはクギをさしておいた。
久木くんが次の子にさおりをそれとなく廻す時、
久木くん自身の問題だけの事にしてほしいと。

小林さおりに{サワタリ別れさせ屋}が絡んでいる事
を知られる訳にはいかないからだ。この点だけは慎重に
してもらわないと。

しくじったら今後、{サワタリ別れさせ屋}だけではなく
この業界でのアルバイトはできなくなるよ、とも。

久木くんには10万円払った。



Fin.

ハート(トランプ)





by lee-lena | 2015-08-15 20:52 | 心の灯火 | Comments(0)
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