天野節子さんの 『氷の華』
・2006年/幻冬舎ルネッサンスより個人(自費)出版される。
著者のバックグラウンドと出版までの波乱万丈事件簿は
こちらで読めます。
女性版、松本清長との呼び声も高い新人作家・・のデビュー作。
店頭にて大々的に紹介される。
↓
本読みのプロである書店員たちが全国的に本書の力にいち早く
気付いたことが、作品のヒットにつながったのだとか。
また、本作にぞっこん惚れ込んだ出版元幻冬舎の人々の地道な
仕掛けと熱い努力があった。
最初に自費出版しようとした会社は倒産。
全額支払済みでの痛い倒産という不運に見舞われながらも再度の
自費出版にこぎつける。
そして出したのが幻冬舎ルネッサンス。
徐々に周りの支持を受けて幻冬舎より出版が決まる。
幻冬舎の人たちや書店員たちにそのクオリティの高さを
知らしめ、受け入れられたこの作品は、応募したいくつかの
文学賞にどれも落選したという。
その時の審査員・・って誰? (笑)
今、誰が審査にかかわっていたか知られたら、かなり恥ずかしいかも。
よく審査委員と称していられるものだと、ダイヤがくすんで見えていなかった
のですから。
・幻冬舎 編集担当 君和田 麻子氏の弁。
「誰にも打ち明けられない心の闇の描写が秀逸。」
ダヴィンチでこの話を読み、
その人の作品の秀逸さに惚れ込んで世に広める為に
奔走した幻冬舎の編集に携わっている人たちのご苦労というか、
活躍も合わせて知ることとなりました。
本読みのプロ、書店員さんたちにアプローチを試み、
気持ちを掴む。
店頭での多面陳列にこぎつげ、人気が出たと見るや否や、
絶妙なタイミングでその機会を逃さず新聞広告を打つ。
まさしく三位一体。
どれかが不足していたら、現時点で作品が世に出ていない
可能性もあるわけで。
ご本人存命中に世に広く知れ渡り、よかったと思います。
こういう逸話を読むと、もしかしたら日の目をみない小説が
どこかにまだまだ埋もれているのかも、、、なんてことを・・・。
=2008.ダヴィンチ11月号より=
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