李丘那岐さんの■この愛を喰らえ■
ヤクザの家に生まれたが、父である組長の死とともに組を解散
小料理屋の主(なかなか利益の上がらない苦しい台所事情を抱えている)となった
渡木阪鋭と、
渡木阪鋭の小料理屋のすぐ目と鼻の先でイタリアンレストランを経営する
緋賀組若頭 緋賀颯洵(営業手腕にすぐれ店は大繁盛/)とのお話。
ふたりは同じ会派でありながら組員の間にはライバル意識が根強く、
何かと対抗している間柄でもある。
そしてまた、いまだに会えば喧嘩ばかりしているのだが、小・中一緒の幼馴染でもある。
ふたりの歴史は長い。
鋭の小料理屋が何故にいつまで経っても低空飛行なのか?
近所周りぐるりと昔ながらの寂れた繁華街路地裏に店を構え、一見客など
めったにお目にかかれない様な環境のせいか?
はたまた、組を解散してからも鋭を慕い小料理屋に日参してくる元組員たちに
風俗の女の子、そして会えば喧嘩ばかりの颯洵に後は藍川医師と・・。
顔ぶれが代わることはほとんどない固定客ばかり、、とそんな環境のせいなのか?
新規の客を開拓できずに苦しい経営が続いている。
果たして・・同じような場所にも拘わらず、では何故に颯洵のイタリアンレストランは
繁盛しているのか?ということになってくる。
どこが違うのか?
敏腕・・颯洵は色男の上に羽振りもよく腕っ節も強い。
そんな男からもいつのまにか?言い寄られ無理矢理・・××されてしまったり。
あげくに腹違いの弟からも言い寄られ・風俗の女の子にも好かれ・モテモテ
鋭なのであります。
堅気になってからも元組員たちからも慕われ、とにかく鋭は人気者。
そんな人たちに囲まれながら、さまざまな事件簿が起こりそれと平行するように
最初は拒絶されていた颯洵の気持ちが鋭に受け入れられるまでが
丁寧に描かれていて、読み応えありました。
結構主役キャラふたりの生い立ちだとか抱えている問題/トラウマだとか、
小さな頃からのふたりの関係だとか詳細に書かれてますし。
■その純情を暴け■-スピンオフ 李丘那岐(著)
そして この巻では嫌な性格にしか見えなかった鋭の弟、亮と、小料理屋の常連
医師の藍川とのお話/スピン・オフが "その純情を暴け"で綴られていきます。
詳細は省きますが、"この愛を喰らえ"と同様かそれ以上にこちらのお話も
面白かったですね。
前作では兄に振られた形となった亮が今作ではどちらかと云うと藍川から
好意を持たれ可愛がられるというおいしい役どころになっています。
この藍川がなかなかどうして一癖も二癖もありそなお医者さまで・・かつて兄の
鋭をことごとく振り回していたはずの亮が今回は翻弄されてしまうという・・
storyになっていて、大変おもしろかったです。
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